何年か前にLemonという歌が流行っていた。
そのLemonの歌手が紅白歌合戦で鳴門の美術館から歌うのをテレビで観て聴いて、勝手に感銘を受けて勝手に勘違いして「これくらいおれだって弾けるかも!」と思い、リビングで酔っぱらった序に鍵盤を叩いて汚い声を張り上げていた。結局のところ上手く弾けず上手く歌えず最後には飽きてしまってモノにならなかった。
閑話休題。
レモンという果物が好きである。
一人暮らしの学生時代、風邪をひいて大熱が出たら、レモンの輪切りに砂糖をまぶしたものとニンニクのスライスを食べて、一晩眠ったら朝には治っていたものだ。今でもレモンとニンニクは体調が落ちたときの貴重な栄養源でもあり薬であると信じている。
わが家の小さな庭で収穫したレモンの実を輪切りにして砂糖漬けにしたものを瓶に詰めている。これを体調が悪い折や睡眠不足の折に朝一番で口に放り込む。酸っぱくて甘い刺激が口の中で溶け始めると例え睡眠不足であってもたちまち目が覚める。
今年もいろいろあった。気がついたら年の瀬である。もう一回ネジを巻き直して頑張ってみよう。忘れたものを取りに帰るように。古びた思い出の埃を払いながら。【総務部 S・A】